手作りの革製品で、何個か見てパッと良いものなのかどうなのかって、なかなか分からないですよね。
ササっと大量生産として作られたものなのか、時間と手間をかけて一つ一つ丁寧に作られたものなのか。
縫い目については、揃っているのかガタガタなのか分かりやすいですが、その他に「ここを見ればだいたい分かる」というのは「コバ」と言われるところです。
コバというのは、革を裁断した面の部分の事です。ここをどこまで丁寧に処理しているかで、だいたい分かると思います。
今回は、そのコバの処理の仕方について、Ronbey式のやり方を紹介します。
⚫️コバはここの事です
「コバ」とは、革を切った面のところを指します。文章だと分かりにくいので写真で示します。ここです。
貼り合わせる部分の場合は、綺麗に貼り合わされていないと段差が出てしまいますし、何もしないとガサガサしたままです。もちろん、「何もしない方がかっこいいんだ」という作り手さんもおられると思いますが、今回は処理することを前提として、その方法について紹介します。
⚫️ろんべえの求めているコバ
時間と手間をかけて磨きまくれば、ピッカピカのコバに仕上がります。中には、革細工の仕上げは「コバが全て」という方もおられると思います。
しかし、ろんべえはそこまで求めていません。なぜなら、使っていく中でコバも育てていただきたいからです。手で触られた分だけ自然と磨かれて、ある意味仕上がっていくからです。
とはいえ、何もしないわけではありませんし、ある程度良い感じになるところまでは磨きます。
それでは以降、ろんべえ式のコバ処理のやり方について、細かく紹介したいと思います。
参考までに、「こんな感じのコバに仕上げていますよ」という写真がこちらです。
分かりにくくて、すいません。。。。。
⚫️Ronbey式コバの処理方法
①貼り合わされたコバ面をヤスリがけします。ろんべえの使っているヤスリは片面が荒くて、もう片方は細かい面になってます。まずは荒い方で段差がなくなるように削ります。(貼り合わせた面に段差があると、この作業が大変になるので、裁断の時点でほぼほぼ決まると言っても良いかもしれません)
あまりゴシゴシすると荒れるのでなるべく一定方向から動かすようにします。ある程度綺麗になったら、反対の細かい方で整えます。キメを細かくするイメージです。
②コバ処理剤を塗ります。コバ処理材にはいくつか種類がありますが、RonbeyCraftでは「CMC」という薬剤を使っています。粉状のもので、水に溶かして使うものです。特にこだわりがあるわけではありませんが、コスパが良いので(^^)
CMCを指でコバに塗ります。この時、注意しないといけないのは、コバではない革の表面に付かないようにしないといけません。だいたい同じように1回で磨ける長さの分に塗っていきます(15〜20センチくらいですかね)。綿棒や小筆などで塗るのもいいのかもしれませんが、指の方が感触でちゃんと濡れているかどうかが分かるので指で塗っています。
ここらへんで一つ、複数段のカードポケットの部分など、作ってからだとうまく磨けない裁断面もあるので、注意が必要です。後からは無理なので、先に磨かないといけません。
③磨いていきます。まずは「スリッカー」と言われる木で出来た棒で磨きます。あまり力を入れる必要はありませんが、コバの端がそり返らないように注意しながら磨いていきます。力を入れる方向や力加減を文章で書くのは難しいですが、コバのエッジが丸くなり、貼り合わせた面が1枚の革になるように磨いていきます。
ある程度綺麗になったら、最後に布で磨いて仕上げます。布は何でも良いとは思いますが、ろんべえは古いTシャツのハギレを使っています(^^)ツヤが出てくるまで磨きます。感覚ですが、CMCが足りないと感じる時はこの時もう一度塗って磨く時もあります。布で磨いている時の感触が「ツルッ」となり、ツヤツヤになったら「コレでよし」としています。
スリッカーで磨いた状態で完成としても良いのかもしれませんが、その後に布で磨いた方が綺麗になりますし、手の感触で仕上がりを確かめられます。
全てのコバ面にこの作業をします。そりゃ肩もコリますね(^^)
⚫️最後に
「コバ」とは革をカットした「裁断面」のことをいい、ここの仕上げで時間と手間をかけられているのかが分かります。
ろんべえ式の処理の仕方としては、やすりがけを荒目と細か目で2回、CMCを塗りスリッカーで磨いた後、布で仕上げます。
使っているうちにコバも育っていくので、ろんべえ式としては「ある程度まで」と思っています。他の拘っている作り手さんのコバは、もっとピカピカだと思います。
もちろん、「オレはあえて処理しないんだ」という作り手さんもいるはずですので、正解はありません。(確かに何も処理しないコバで10年使ったらどうなるか興味あります。)
今回は、ろんべえ式の「コバ処理のやり方」について紹介しました。革細工をやられている方や、本革に興味あるよという方の参考になればと思います。
それでは、今回はこのへんで。