僕が昭南皮革を使う理由
RonbeyCraftでは、現在、昭南皮革の多脂ベンズという革を使って革製品を制作しています。
なぜ「昭南皮革」なのか。
理由はとてもシンプルで、僕がこの革に惚れ込んでいるからです。
初めて昭南皮革の多脂ベンズを購入した時のことです。
届いた革を開封し、手に取った瞬間、
「なんていい革なんだ!」
と衝撃が走りました。
見た目は、堅牢っぷりがガンガン出ていて、ワイルドな風合いが押し寄せてきます。
そして、触ってみると、その見た目からは想像できないほどしなやか。
しっとり、モチモチとした感触で、どこか優しささえ感じる独特の手触りでした。
なんていうか、キメの細かい繊維がギュッと詰まっているような、もう「いいもの」としか言いようがありませんでした。
僕にとっては、触っているだけでも楽しくなる革です。
もちろん、世の中には素晴らしい革がたくさんあります。
僕自身も、数は少ないですが、いくつかの革を扱ってきた経験があります。
ただ、世界中の革を知っているわけでも、数多くの革を比較して選び抜いたわけでもありません。
それでも、この「昭南皮革 多脂ベンズ」を手にしたときの感動は、今でもハッキリと覚えています。
そして、もうひとつ。
僕がこの革を好きな理由は、経年変化です。
使い込むほどに色ツヤが増し、手に馴染み、新品のときとは違った表情になっていく。
文章にすると簡単ですが、ここには何とも言えない魅力が含まれています。
僕は、革製品の本当の魅力は、使い始めてから少しずつ現れてくるものだと思っています。
5年、10年と使って、傷もシワも、その人だけのものになっていく。
気がつけば、簡単には手放せない相棒になっている。
そんな革製品を作りたいと思っています。
だからこそ、革そのものの表情や手触り、使い込んでいく楽しさを大切にしたい。
余計な装飾や機能はできるだけ控え、説得力のある革を使い、ひと針ずつ全て手縫いで仕上げています。
昭南皮革の多脂ベンズは、そんな僕のものづくりに、とてもよく合う革なんです。
革にはそれぞれの個性があり、好みも人それぞれです。
僕は、この革が好きです。
そして、RonbeyCraftの革製品を手にしてくださった方にも、この革の手触りや、長く使って育てていく楽しさを感じてもらえたら嬉しいです。
長く使いたくなるものを、誠実につくる。
これからも、自分が惚れ込んだ革で、そんなものづくりを続けていきたいと思います。
